「完成しない表現」について。昨年末発表した「考える日」は、完成しない楽曲を記録したものだ。ライブと照らし合わせてもらえれば分かると思う。ただアレンジを変えるとか、アドリブを加えるということではなく、作曲が終わっていないのだ。そして永久に終わらない。枠の中で変化させていく方法ではないから。
乾かない絵具、当時の絵とは既に様変わりした絵画の発色。意図せず終わらない創作もある。
旅の途中で、さやさんが僕の楽曲「心」を歌ってくれた。僕は初めてこちらに向かって発せられるこの楽曲に興味を持った。数分の楽曲だったが、本当に長い会話をしたような感覚を今も自分の箱から取り出すことが出来る。しかし、それもまたいつの間にか消えていたり、全く別の姿になっているだろう。