2012年9月13日木曜日

東北に付いて行く7

遠野の田舎道を抜け、一行は花巻の温泉宿へ向かう。友人の予定通り夕暮れ前に到着した。古びた、情緒ある温泉宿である。旅館の人に温泉の案内をされつつ部屋に向かう途中、廊下から「あれがお客様の部屋になります」と指差した先には、正しい温泉宿の正しい部屋が鎮座していた(三階です)。部屋の襖を開けると、常日頃友人と「こんなところで創作に耽りたいよな」と話していたような部屋だった。あまりにも理想的なので、旅館中の人を集めてこの宿を選んだ友人を胴上げしたいぐらいだった。浴衣に着替え、温泉を楽しむ。静かに日が暮れて行く。
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