2016年2月28日日曜日
或る始まり
京都で開催されたフンデルトヴァッサーの展覧会に行ったのは、もう十年前になるか、出口付近の薄暗いスペースで彼のドキュメンタリー映像が流されていた。僕は腕を組み、立ったままその映像をぼんやりと眺めていた。シーンは彼の食事に。彼は制作中の絵の上にスープかなにかの皿をどんと置き、スプーンで啜り始めた。この瞬間、僕の音楽と日常が初めて、ほんの少しだけ交わったのだった。しかし、それをはっきり意識するのは、数年を経てからだった。
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