2018年8月17日金曜日

引っ越してもうすぐふた月が経つ。ここに来てからまだ作曲らしいことはしていない(アレンジはいくつかした)。作業場は出来ているのだが、二階なので、夏の、とりわけ厳しい今年の暑さにたじろいでしまった。ならば一階でやればいいじゃないかというのはもっともである。しかし、場が大事なのだ。武満徹は、海外では作曲が出来ないと書いていた。海外、というより自分の作業場以外では作曲しなかったのではないだろうか。
今日は急に秋の陽気だ。まばたきしたら秋だったという感覚。

2018年2月8日木曜日

作りものの表現

一昔前は、一作品に関わるだけで異常なまでに神経質になり、他の事はいい加減になっても仕方がないと決めつけていた。音楽という存在を神格化し、それに関わることで、自分もその空気を吸い込んで気持ちよくなっていたのだろう。表現が日常と切り離されていたのだ。正に、作りものの表現。

結露

「結露」をテーマにした小品を書いている。オーボエとギターの曲だ。結露を念頭に旋律を紡いでいく。油断すると、音程と音価にとらわれ、本来の背景との結びつきが薄くなる。そして、また書き直す。この連続の中で新たな映像が頭をかすめ、それを追っていくと景色が鮮明になって行く。どうにも行き場がなくなったら、結露を起こせばいい。

2018年1月19日金曜日

冬の創作

曲が溜まってきた。録音しよう。前回と同様に、歌とクラシックギターのみで録るつもりだ。アレンジをしながら日々演奏をしている。アレンジを重ねても、結局初めの状態に戻ることが多いが、この過程なくして納得の行く作品は残せない。そしてまた変化して行く。
同時に別の創作にも手を付ける。片方が蔑ろになるようなことはなく、どちらにも刺激があって効果的だ。
冬の作品が増えた。冬の内に冬を焼き付けたい。

2017年11月7日火曜日

Fender Musicmaster '76

およそ20年前、季節は秋から冬、ちょうど今くらいの季節だったと思う。お茶の水にあるカザルスホールのエントランスで、楽器のセールが催されていた。当時、僕はペイヴメントやべック、K Recordsのバンドが好きだったので、そんな彼らが愛用していたFenderのギター、特にMustangやJazzmasterのような、少し歪なギターが欲しかった。しかし、それらは高価で、予算を上回るものばかりだった。その内に本体より値札ばかりを眼で追うようになり、少しすると、手ごろな、しかもUSA製のヴィンテージギターの値札に辿り着く。'76年製、ボディーはMustangと同じ形、色は黄ばんだホワイト、そしてピックアップがフロントのみでアームなし、名はMusicmaster。人と違うもの所有することが個性だと勘違いしていた初心な青年は、即座にそれを購入するのだった(値段が強く背を押した)。

数日前、我が愛器は、ピックアップを換え、乾燥しきっていた指板にオイルを塗り込み、全体を綺麗に磨かれたことで、眠りから覚める。数年悩まされた雑音は、ピックアップが原因と分かっていたが、換えられずにいた。音色が変わってしまうことを危惧したためだ。しかし、そもそも本来の音とはなんなんだろうか。そんなことより気持ちよく弾けた方が楽器としては幸せなのではないか。そんなことを考えているうちに僕は、半ば無意識にネットでピックアップを物色していたのであった。
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