2018年9月21日金曜日

タンゴ

タンゴと聞くと、なんとなくその音楽のイメージが浮かぶ人もいるだろう。その演奏されたタンゴと元の楽譜とのギャップは、ここから地球の裏側くらいの距離があると言っても過言ではない。タンゴの楽譜は、時代にもよるが、べったりとした地味な2/4拍子の楽譜が多く、それをそのまま演奏しただけでは情熱さのかけらもない単なる素朴な民謡のようなのだ。なので、あの雰囲気は演奏者によって作られる。楽団を統率するリーダの色は濃く、そのキャラクターを聞き分けることがタンゴを楽しむことに繋がる。どんなタイプの音楽でもそれは言えるのだが。

2018年8月23日木曜日

未発表

作曲したまま発表せずにほったらかしになっている作品がたくさんある。理由は、ただ機会に恵まれなかったからに過ぎない。アレンジをし直して自ら発表、もしくは誰かに演奏してもらおうと考えても、なかなか元々のイメージを保ちつつ再構築するのは難しい。そして、発表したいというよりは、ただすっきりしたいだけなのである。
独学で作曲し始めた頃に、フーガや12音技法、無調、ソナタ、弦楽四重奏、などなど、色々と試した楽曲がほぼ未発表状態にある。演奏してくれる方、待っています。

2018年8月22日水曜日

悪夢

悪夢には色々なタイプがある。ホラーなもの、嫌いなもの(僕の場合は蜘蛛と毒キノコ)に関わる、などなど。
僕が最もよく観る悪夢は、シーンはライブステージ、今まさに始まるという場面で色々なトラブルに見舞われる。ギターのシールドを差そうとするが届かない、メンバーが現われない、エレキギターのストラップがない、靴がない。何かしなくてはと、マイクで客をあおるが、一向に演奏を始められなくて焦る。これの調理場バージョン(お湯が沸かない)やサッカーバージョン(ボールを蹴ってもほとんど飛ばない)なんかもある。悪夢の中でも、このタイプが一番後味が悪いのだ。
厄払いにと思って歌にした。その名も「悪夢」。

2018年8月17日金曜日

引っ越してもうすぐふた月が経つ。ここに来てからまだ作曲らしいことはしていない(アレンジはいくつかした)。作業場は出来ているのだが、二階なので、夏の、とりわけ厳しい今年の暑さにたじろいでしまった。ならば一階でやればいいじゃないかというのはもっともである。しかし、場が大事なのだ。武満徹は、海外では作曲が出来ないと書いていた。海外、というより自分の作業場以外では作曲しなかったのではないだろうか。
今日は急に秋の陽気だ。まばたきしたら秋だったという感覚。

2018年2月8日木曜日

作りものの表現

一昔前は、一作品に関わるだけで異常なまでに神経質になり、他の事はいい加減になっても仕方がないと決めつけていた。音楽という存在を神格化し、それに関わることで、自分もその空気を吸い込んで気持ちよくなっていたのだろう。表現が日常と切り離されていたのだ。正に、作りものの表現。

結露

「結露」をテーマにした小品を書いている。オーボエとギターの曲だ。結露を念頭に旋律を紡いでいく。油断すると、音程と音価にとらわれ、本来の背景との結びつきが薄くなる。そして、また書き直す。この連続の中で新たな映像が頭をかすめ、それを追っていくと景色が鮮明になって行く。どうにも行き場がなくなったら、結露を起こせばいい。

2018年1月19日金曜日

冬の創作

曲が溜まってきた。録音しよう。前回と同様に、歌とクラシックギターのみで録るつもりだ。アレンジをしながら日々演奏をしている。アレンジを重ねても、結局初めの状態に戻ることが多いが、この過程なくして納得の行く作品は残せない。そしてまた変化して行く。
同時に別の創作にも手を付ける。片方が蔑ろになるようなことはなく、どちらにも刺激があって効果的だ。
冬の作品が増えた。冬の内に冬を焼き付けたい。
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