2018年2月8日木曜日

作りものの表現

一昔前は、一作品に関わるだけで異常なまでに神経質になり、他の事はいい加減になっても仕方がないと決めつけていた。音楽という存在を神格化し、それに関わることで、自分もその空気を吸い込んで気持ちよくなっていたのだろう。表現が日常と切り離されていたのだ。正に、作りものの表現。

結露

「結露」をテーマにした小品を書いている。オーボエとギターの曲だ。結露を念頭に旋律を紡いでいく。油断すると、音程と音価にとらわれ、本来の背景との結びつきが薄くなる。そして、また書き直す。この連続の中で新たな映像が頭をかすめ、それを追っていくと景色が鮮明になって行く。どうにも行き場がなくなったら、結露を起こせばいい。
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