CDは、何事もなければ今日の夕方、レコード発売記念ライブの初日に完成する。こんなにぎりぎりまでしつこく物を作ったのは初めてで、これからの基準になると思っている。
ぼくはここ数年、考えることが先ず音楽を、芸術を、多くの表現を、そして人間を生かしていくことだと思っている。当たり前のことのようだが、そうでもないと感じる場面に向き合うことが多い。
全ては説明されていないし、説明することは出来ない。考えた過程の塊が答えと呼ばれているだけだと思う。答えより考えた過程が面白い。そして、まだ考える余白は残されているのだ。
2015年11月15日日曜日
考える日4
録音は初夏に済んでいた。その頃は、なんとなくCDでも出そうかなというくらいのぼんやりとした気持だった。実際出そうと決意したときには、その録音は既に色褪せていた。目的を持たずに録音した作品も悪くはないが、今の自分には合わなかったらしい。
夏の去り際、名古屋でのライブが決まった。それから少ししてCDを出すことを決め、流れで名古屋のライブをレコ発にしようということになった。そして立て続けに金沢、京都とライブが決まる。
録音も終わっているし、あとはパッケージをどうするかだけだと思っていたのだが、いざ久々に過去の録音を聴いてみると心に響かない。この時点でレコ発の一月前だった。
2015年11月13日金曜日
2015年11月5日木曜日
発、そのもの2
終演後、植野さんを囲んで談笑、輪の中がミュージシャンばかりだったことから、植野さんが自己紹介がてら二曲ずつ披露しようと強引な提案、ギターに一番近かった僕から第三幕が上がる。最近の得意な曲と少し昔の僕らしい曲を。続いて第二幕でさやさんと共に客席で歌っていた方、蓋を開ければ池間由布子さんだった。カバーを一曲、オリジナル一曲を披露。静かな中に鋭さを持った言葉が独特の声色に乗ってぼろぼろとこぼれる。続いて紹介されたのが神田さやかさん。幽かな歌声だが言葉がすっと近づいてくる。すっと近づいたかと思うと目の前で落ちたり、消えたり。そして、テニスコーツさやさん。ニコニコしながら発せられる音楽が、ずっしりとステージにもなった小上がりに積み重ねられていく。本編の影響からか、音と言葉、心が物質的にあたり一面に散らかる。美しい邂逅、その他にも嬉しい出会いが。
発、そのもの1
不思議な緊張感に包まれた第一ステージ。新曲を中心に構成されている事が事前に公表されていたためか、息をのむような演者と観客のやり取り。もはや「エロ本」という言葉でさえ、深読みの対象になっていた。厳格な様相で第一幕は下りる。
15分程度の間を持って第二ステージ、いい具合に解れた雰囲気(演者本人がビール小瓶を立て続けに2本)で走り出す。序盤で客席のテニスコーツのさやさんがゲストとして呼ばれるが、本人の意向から客席から離れずに共演が始まる。その距離は3メートルほど。二人の声が物質のようにコクテイル書房の空間を走り回っていた。その後、さやさんの近くに座っていた馴染みのお客さんも加わり、既に植野さんの遊び場と化していた。
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