2010年11月23日火曜日

しかし

駅に向かう道、電柱に10センチ四方くらいの紙が貼られヒラヒラしている。気になってその小さな紙を見てみると、「ヴァイオリンとチェロのコンサート、、、」と、小さな文字でぎっしり詳細などが事細かに書いてある。次の電柱にも貼ってある。その次にも。標識の柄にも貼ってある。何故か一本に二枚張ってある場合もある。このチラシのサイズは人の心をくすぐる。違和感を巧みに利用しているのだ。つい、なんだろう、と見てしまう。そして異常さが記憶に残る。しかしコンサートのチラシを電柱に張るとは思いも寄らないアイデアだ。

、、、書き終わって読み返すと、このチラシは剥がして持って帰れるように工夫されたものと思われる。そう考えると一本の電柱に二枚張ってあるのも頷ける。しかしコンサートのチラシを電柱に張るとは思いも寄らないアイデアだ。

、、、補足を書いていると、1年ほど前、ふと道端に10センチ四方の紙が落ちているのを見つけ、拾ってみると「ヴァイオリンとチェロの教室」と書いてあったのを思い出した。当時は道端にばら撒いていたのか、それとも電柱に張ったのが風か何かで落ちたか。しかし

2010年11月6日土曜日

作曲とは

例えば、ドからレに進む、何故レか。ぼやけた場面だからレに進んだ。人に依ってはファかも知れない。それからミに進むと先が真っ暗。最初のドを眺めるとレに一旦下がるのが妥当なような気がする(この場合音楽的にではない)。遠くで風が吹いている。これは空間的なものと考えて低音にドが現れる。その風に因ってリンゴが落ちる。落ちて転がる、転がるといえばオニギリである。オニギリは三角だから短三度で不協和にして、(中略)最終的にお寿司が出来ました。

2010年10月4日月曜日

ベースソロ

デパートに入るとBGMがジャズ、一階は主に食品売り場だ。適当に店内を物色していると、演奏はソロ回しに。ピアノ、サックスと続き、ベースがソロを弾きはじめた。食品売り場に鳴り響くベースソロ、それだけでも異様だが、更に聴いていると弓弾きを始めた。食品売り場を包むギコギコいう音。

2010年9月27日月曜日

音を読む

最近の趣味は楽譜を見ながら音楽を聴くことだ。大編成のものが良い。音楽を楽しむというより図鑑を見ている子供の気持ちに近い。
上野に音楽資料室というのがあって、そこには何万冊ものクラシックの楽譜がストックされている。そこに聴きたい(見たい)曲を持って行くのだ。耳だけでは見つからなかった部分まで目が届く。

2010年9月5日日曜日

ダンシング・オブ

近所に図書館が三つある。一つは2800枚のCDと日活、黒澤映画DVDが豊富、二つ目は漫画と落語のCDが豊富、三つ目はCDが偏執的、それぞれ個性があって楽しい。三つ目は少し遠いのであまり行かないのだが、久々に足を運ぶと、CDコーナーで「のいづんずり」に遭遇した。「のいづんずり」とはバンドで、実際よく知らないが図書館にあるはずが無いことは大体知っている。しかし、もしかするとアカデミックな音楽なのかも、と思い、借りて聴いてみたが2秒で解決。曲名が「ダンシング・オブ・トシヨリ」という時点で気付くべきだった。他に「ダンシング・オブ・ヌメヌメ」「ダンシング・オブ・ムッチラモッチラ」など。前回行ったときはなかったが貸し出し中だったのだろう乎。もう一枚、前から聴きたかった小杉武久の「ヘテロダイン」が入ったCDがあったので借りる。これも図書館にはなかなかないと思う。

2010年8月24日火曜日

カナブン

それはカナブンだった。
電車に乗って帰路、ふと、座席に座って前のめりに寝ている女性の後頭部を見ると、緑色の宝石の様なものが光っている。変わったところにヘアピンをしているなと見ていると、それは動くのだった。

2010年8月20日金曜日

トーフ

「パー、プー」と豆腐屋が鳴らす喇叭もそれぞれなのか、本来はF♯→G♯で2度、最近聴いたやつはF♯→Aで2度半。2音目が半音違うだけだが、印象はだいぶ違う。前者は所謂誰もが知っている豆腐のメロディ、後者は短調だが、ブルースの様な長調とも短調ともとれる曖昧な音階だ。またアジアの民謡、南米音楽にも通ずる。他に現代的なのもいて、「パー、プー、トウフノイドウハンバイデス」と自動音声をタケヤサオダケのようにスピーカーで鳴らし、車で売ってる豆腐屋もいる。

2010年8月16日月曜日

T

富士山御来光のテレビ中継で女のリポーターが着ていたTシャツには「I♥NY」とプリントされていた。日本の象徴の富士山の中腹でわざわざ「I♥NY」Tシャツで無言のメッセージを送るとは余程ニューヨークが好きなのか、それとも富士山に恨みがあるのか。数あるTシャツからそれをチョイスしたのには深いわけがあるはずだ。なかったら彼女は文字を絵として認識している可能性が高い。

2010年7月24日土曜日

夏風邪は

夏風邪は馬鹿がひく、ただでさえ風邪で辛いのに周囲に「あいつは馬鹿だ」と口には出さないもののそういう目で見られるのは、たまらん。もうかれこれ二週間風邪に呪われ続けているのだが、何故こんなに長引いたかというと、「俺は馬鹿じゃない」という思い込みから風邪であることを認めなかったからだ。そして今何故風邪をひいているかが良く分かる。

2010年7月5日月曜日

2800枚

近所の図書館はただでさえ品揃えが良いのだが、最近になって地下倉庫に大量のCDが眠っていることを知った。その数なんと2800枚、全部クラシック。数年前に寄付され、今年から貸し出し可能になったとのこと。すべて輸入盤で、そのほとんどがドイツ盤だ。古典から現代まで揃っている。今まで数枚借りたが全て新品同様で、誰もその存在に気付いていないのか、それとも興味がないのか、兎に角個人的には有り難し。

2010年6月29日火曜日

みんな月へいってもた

「みんな月へいってもた」とニーナ・シモンが歌ったかは定かではないが否定も出来ない。Everyone's gone to the moon



京都の蚤の市、天神さんでレコードを買った。500円均一の箱から「みんな月へ~」が収録されているレコードを発見し、ジャケットは問題(デザインが)だったがピアノ弾き語りというのに惹かれて購入。他にマイルス、フォーレ、ストラヴィンスキーを買ったのを覚えている。4枚で1500円にしてもらったのも覚えている。鳴瀬氏と良く聴いた。彼はこんなブログを書いている。

2010年6月11日金曜日

8分

地方冊子を手に取って読んでみるとパン屋特集。パンには目がない、訳ではないが、掲載されていた店の一つが行きつけのコーヒー焙煎屋の近所だったので、ついでに行ってみることにした。
情報では徒歩8分、地図を頼りに向かう。30分くらい歩いたところで迷っていることに気付き、来た道を引き返し、一つ目の目印の建物を発見、二つ目の目印も発見、ゴールは近い。更に進むと左手に公団住宅、右手に森のような公園。公団住宅の間に小さな商店街が現れる。イメージと違うのでスルー。公団を抜けたところに商店街の店の一覧の看板。目当ての店を発見、戻る。商店街の一番奥に店はあった。不親切な地図だ、と冊子を改めて見ると、商店街内にあることや詳しい行き方も事細かに載っていた。文字は苦手だ。しかし8分では着かないと思い、帰りに時間を計ったら8分。

2010年6月9日水曜日

休憩Ⅲ

キューブリックの「2001年宇宙の旅」を観た。150分くらいと少し長め。始まって90分くらい経ったころ、なんとINTER MISSIONの文字が。黒澤映画だけではなかったのだ(休憩、休憩Ⅱ参照)。不協和音の不穏な響きが約3分、この長さは民族性か。ロバート・ワイアットの「カッコー・ランド」(CD)は半分くらいのところで30秒の休憩が入る。全体の長さは忘れた。

2010年5月20日木曜日

武満徹のギター曲を弾いてみた。低弦を押さえつつ高弦をちょこちょこ移動、その逆もあり、指が届かない和音、指がプルプルして、無理すると骨折しそうです。

2010年5月15日土曜日

部屋で録音していると外で「ピポピポーン、左へ曲がります」と車が云う。しばらくするとまた左へ。そしてまた左。左。くるくる回ってるのか。ごみ収集車だろうか。それにしても左ばかりだ。それとも左のときにしか云わないのだろう乎。

2010年5月14日金曜日

鎌倉

海へ、鎌倉へ。
海に辿り着くと、ディスクユニオンの袋を提げて海辺ではしゃぐ男。よく見ると知ってる男だった。

2010年5月1日土曜日

バード

暖かくなってきたのでギターを弾きに外に出た。少し遠出をして、森の様なところで、と思っていると、偶然森の様な公園に遭遇。入ろうとすると、空から鳥に糞をお見舞いされた。幸い腕だったが、顔面だったら一曲出来たぜ。
昔、友人I君とレコ屋の帰りだったか、並んで歩いているとI君の腕に鳥の糞。I君はそれを見て「バード?」と言った。

2010年3月31日水曜日

休憩Ⅱ

黒沢明の「七人の侍」を観た。207分の大作だ。映画が始まり100分くらい経ったころ、ひょっとしてと思ったら、矢張り。休憩の文字がでかでかとスクリーン(16インチ)に浮かび上がった。重々しい、この後の厳しさを暗示するオーケストラが約5分、休憩の文字は痙攣するように画面で微妙に揺れている。DVDは2枚組みで、休憩が終わると同時に1枚目が終了した。休憩の後にまた休憩が来てしまった感じだが、休憩も含めて完全収録されていたのには感心した。

2010年3月20日土曜日

救い

あと数十円あれば用事は済んだのだ。少し前に百円の古本を買ったためにお金が足りなくなった。
諦めて電車に乗ると、間違えて逆方向の電車に乗ってしまった。ため息をつき、さっき買った古本を開くと、当時の新刊情報が挟まっていた。『「アニマルどー!!」谷岡ヤスジ』、横には激怒した牛が「バカー」と叫んでいる。

2010年3月5日金曜日

休憩

黒沢明の「赤ひげ」を観る。映画は約170分で普通の映画より長い。映画が始まり100分くらい経ったころ、スクリーン(16インチ)が暗転し、白い文字で画面の真ん中に「休憩」の文字が浮かび上がった。田園風景が似合いそうなオーケストラが約5分、真っ暗な画面を見ながら待った。

2010年2月24日水曜日

となり

夜、電車のシートに座って一息つくと、となりの背広の男性が、「ほんとに?」と、雑誌を手に半笑いで独り言を言っている。「ふふ、すごいなー」と続けて言うので一体どんな雑誌を読んでいるのか気になり、横目で盗み見ると、地図だった。

2010年2月3日水曜日

トップライダー

僕のファミコン経験の中で最も衝撃だったのが「トップライダー」。価格は9800円もするのだが、当時近所の電気店で9割引の980円で売っているのを発見し即購入。何故価格がこんなに高いのかというと、このゲームには専用コントローラー、というかビニール製のバイク型コントローラーが付属されているのだ。ハンドル部分がコントローラーになっていて、左右の操作はバイクを傾けるとのこと。操作性が非常に悪く、全く進まないままバイクがパンク(タイヤではない)してオシャカ。しかしパンク修理セットが付属されていたのでパンクを直し再開、パンク、と繰り返し、修理痕だらけになってパンク修理セットも底を突き、結局なにも起こらずに終わった。ゲームをしたというよりはパンクを直したという印象だ。

2010年1月29日金曜日

ドルフィー

夕方、道を歩いていると、ドルフィーの様なサックスが聞こえてきた。音の方を見るとビルの青みがかったガラスのドアが微かに動いている。ドアが軋む音だったのだ。

2010年1月23日土曜日

におい

或る駅構内を歩いていると、目の前で男女三人が円になって、三人揃って何か飲んでいる。横を通り過ぎると正露丸の匂いがした。

2010年1月16日土曜日

左様なら

高円寺はあずま通り、北に上がっていくと今日もその店はあった。
相変わらずだが、今日で閉店。左様なら。
©野鳥入門 All rights reserved.