2013年11月30日土曜日

遠近

本を読む中で気に入った響きの言葉や一文に出会うと曲が生まれる。ある文章に、遠近に「おちこち」と振り仮名がふってあって、響きが気に入ったのでそのイメージで一曲書いた。あれは確か川端康成。だいぶ経ってある日会話の中でその話になり説明すると、相手はその文章を読んでいて(非常にその文章に身近な人物)そんな言葉あったかな、と首を傾げた。その後気になって読み返すと遠近という言葉は出てきたが(それはそれで凄い)「おちこち」と振り仮名が添えられていない。何度か読み返したが出てこないので、その時期に読んだ本を思い返し調べると、夏目漱石の文章にそれはあった。当時何度も読んだ作品だ。遠近(おちこち)は夏目漱石で書かれ、いつしか川端康成の気分で奏でられていた。
©野鳥入門 All rights reserved.