2014年5月27日火曜日

五百円玉

少年時代、僕にとって一番価値のある貨幣は五百円玉だった。重みがあり、大きく、貨幣の王様だった。紙幣は金属の硬貨の重厚さに比べて物質的に劣り、紙っ切れという印象が強かった。お年玉が硬貨から紙幣に変わったときにがっかりしたのを覚えている。だから甥っ子姪っ子には五百円玉でお年玉をあげる。しかし彼らはお札の方が強いことを知っている。
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